数を伸ばすにはアタリを取って、確実に乗せていこう!


大小まじりで3点掛けのドクター近藤。「赤白スッテには大型が多いね!」。

後半乗りが活発になり5杯掛けも(1杯は足元に)。

40年来の常連である市川市の横尾さんはまもなく89歳だという。朝イチは直結で見事な手さばきを見せてくれた。いつまでもお元気に釣りしてくださいね!

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・千倉白間津港「甚四郎丸」。
今シーズンの南房エリアのヤリイカは正直なところパッとしない状況が続いていた。釣果はトップ20〜30杯といったところでなかなか上向く気配もなかったが、ここ最近になってようやく期待通りの乗りを見せるようになった。
「今年はだいぶ遅れている感じですね。1月下旬になってようやくトップ50杯超えが出るようになりました。ただ、今でもサイズが大小まじりで釣れていますからイカはたくさんいると思いますよ」と、一年中イカを追い求める「甚四郎丸」の新藤源悟船長は話す。
取材日は西寄りのポイントからスタートするが速潮とサバの猛攻で大苦戦。緩い潮を求めて千倉沖に移動すると、これが大正解。底主体だったが5杯掛けもあって一気に数が伸びる。
新しい群れも入ってきていよいよ本番。花摘みも始まってひと足早い春を感じに出かけよう!
プラヅノ11㎝のブランコが基本

ドクターのタックルはダイワ「極鋭ヤリイカAGS」と「シーボーグ300MJ」のコンビ。

水深は170〜200mほど。スルメが多いときはハイパワーなものがおすすめ。

仕掛けはプラヅノ11cmブランコメインに直結、14cmもあると安心だ。

ブランコ仕掛けは5〜7本程度で。

タックルは1.7〜2mほどの先調子ヤリイカ専用竿に小型電動リールを組み合わせる。同地のヤリイカはだんだん繊細な釣りになってきている。落とせば釣れるというよりは、自分で誘ってアタリを取って乗せていく、というイメージの釣りだ。このため、竿は穂先感度の優れたヤリイカ専用竿が望ましい。これから大型が増えるといっても、小型のアタリを察知できるかで数は大きく変わってくるのだ。
リールは道糸PE4号300m巻ける小型でハイパワーのものが扱いやすい。ヤリイカ専用ならば、PE3号が主流だ。値段は張っても、強度のあるものを選べば安心だ。
このエリアは沖の暖かい潮の影響でスルメイカがこの時期でも爆乗りすることがある。今年はそれほど多くはないが、スルメ主体で釣れることもある。こんなときはスルメタックルも持参しておくと安心だ。1.5m前後のスルメ専用ロッドにダイワなら500番クラス、シマノなら3000番クラスの電動を組み合わせる。この時期のスルメは特大サイズが多いのでハイパワーを謳っている機種をセレクトしよう。
仕掛けはプラヅノ11㎝5〜8本のブランコ仕掛けが基本だ。一番乗せやすく、数を伸ばせるのもこの仕掛けだ。プラヅノはピンク、ブルー、ケイムラメインに赤白のスッテを1本混ぜておこう。コマセヅノとしての効果もあるし、このスッテ自体にもよく乗る。この日は、大型が目だって良く乗ったので、必需品と考えてもいいだろう。
朝方はサバが多いときもある。サバがたまに掛かるぐらいなら、慣れない人はブランコ仕掛けで通したほうがいいだろう。投入の途中で掛かることが多いが、竿先がガタガタしたり、食い上げるようにフワフワすることも。こんなとき、小さいサバやウルメイワシなどが掛かってそのまま落ちていくなら落としてしまおう。落ちが悪いようなときは魚が大きく、そのまま落としていくとオマツリや手前マツリのトラブルを引き起こす。こんなときはスグに全速力で巻き上げよう。
ツノを飲み込まれたり、ツノが折れることも多くなる。こんなとき、予備のバラのプラヅノにハリスを結んでおき、ビーズ式の仕掛けでダメになったツノだけを交換するのがおすすめだ。時短にもなるし、経済的だ。
ヤリイカ釣りにはやっかいもののサバだが、このエリアのサバはこれから3月頭くらいまでうまくなる。それほど太っていたわけではないマサバを持ち帰ったところ、全身に脂が回っていてとても美味だった。持ち帰るのもおすすめだ。その場合は、すぐに血抜きしてキンキンのクーラーへ。
ブランコ仕掛けは大型やスルメとの両狙いで14㎝を持参するのもいいだろう。ただし、ヤリイカが大型ばかりでも14㎝よりも11㎝のほうが乗りがいいこともある。
サバが多くどうしても釣りにならない場合は、直結仕掛けを用いる。慣れない人は5本程度に、慣れた人は8〜10本程度に。
スルメイカが多い場合はプラヅノ18㎝仕掛けを用意していこう。ブランコの場合は5〜8本、直結の場合は10本程度。
オモリは150号使用する。予備合わせて2個は持参しよう。中オモリやヨリトリリングの類は、あってもいいぐらいのもので、アタリが取れる人はつけてもいいだろう。ただし、深場で小型が多い場合は確実に小さいアタリがスポイルされてしまう。アタリがわからず首をかしげるようなシーンが多い場合は外してみよう。
滑り止めのためにゴムのついたグローブや指ゴムもあったほうがいいだろう。
基本はアタリを取り、掛けていく釣りを

「小型も多いですが、数を伸ばすには最初のアタリを確実に察知することです」。

このエリアのヤリイカ釣りは、触りやアタリを取っていく釣りが主流だ。どんな状況でもまず着底後に必ず竿先を見て乗りを確認しよう。
①底主体のとき…底反応のときはオモリを軽く切って、誘い上げ、誘い下げをして、竿先を見やすい位置で止めてアタリを見る。底を取り直して繰り返し、乗らなければ巻き落とし。
②10mほど広く出ているとき…①の動作をしながら1mほどずつ上げていき、乗りを見る。
③中層で出ているとき…今後、中層で乗る場合も出てくる。こんなときは、落とし込みでアタリを探っていく。指示ダナに入ったら仕掛けをストップさせ、乗りを確認していく。
④小型が多いとき…小型のヤリイカは最初にアタリを出してそのまま動かないことも多い。小型が多いときはシャクリは大きくてもゆっくりめに。しっかりと竿を止めて、アタリが確実にわかるようにしよう。
そして、次はこの釣りの醍醐味でもある追い乗りだ。
①ゆっくり巻き…1杯乗ったのがわかったらそのままゆっくり10mほど手巻きで。その後に電動をオン。
②底でしか乗らないとき…1杯乗せた後、その場で竿をゆっくり上下させてツノを動かしてさらに乗せる。
③広く出ているとき…1杯乗せてから、竿を上下させて誘いながら上へ、上へと探っていく。
乗りがいいときは②や③の方法をぜひ試してみよう。ただし、乗りが浅いようなときは、あまり長く待たないほうが良いだろう。その日の乗り具合を見て狙い分けてみよう。
以上の記事は「つり丸」2018年2月15日号の掲載情報です。
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大小まじりだがまだ小型も多く、今後が楽しみだ。