MENU
沖釣り専門誌『つり丸』が徹底取材した釣果、釣り方、仕掛け、タックル、魚の生態、グルメコラムを中心に配信する釣り情報サイト
釣る前に、食べる前に、ホッケという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、ホッケという魚を知ろう!

ホッケとはアイナメ科ホッケ亜科に属する冷水性の魚。日本付近では茨城県、対馬海峡以北、黄海、ロシア沿海地方、オホーツク海、南樺太沿岸。東北から北海道周辺に分布する個体は分布域や産卵時期の違いから、4つの系群に分けられている。

ホッケ(カサゴ目カジカ亜目アイナメ科ホッケ属)の生態

日本海、茨城県以北に生息。産卵期は秋から冬で春に荒食いし、盛んにエサを追う。雄が卵塊(卵のかたまり)を守ることでも有名。
北日本を代表する魚で、戦後食糧事情の悪いときには、貨車で関東に送られてきた。北海道からは一週間近くかかったそうで、氷などの乏しい時代だから腐敗直前のものが多かったという。これを政府はさかんに配給したようで、この時代を生きてきた人にはすこぶる評判が悪い。多摩地区の長老すし職人たちにも、決してホッケだけは食べないという人も多い。
「ほっけ」とは東北以北での呼び名で、意外に地方名が少ない。大きさによって稚魚のときにはその色合いから「青ボッケ」、若魚は形から「蝋燭ホッケ」、根についた大型魚を「根ボッケ」という。

ホッケの値段は?

流通の世界では非常に安く、キロ単位ではなく100キロ単位いくら、などという取引が普通。鮮魚も少なくないがキロあたり卸値で500円から700円前後。最近注目を浴びている活け締めもので、キロあたり1000円前後、1尾大きいもので600円から800円くらいしかしない。ホッケは値段ではなく、味で釣る魚なのである。

「ホッケ」の寿司…時にはとろけるうまさ、時には白身本来のうまさ

自営業のボクに関係ないが、一般的には異動時期。会社員の方は職場が変わり、ときには住む場所まで変わる。大変なのだろう。最近、釣り上げた魚名を聞かれることが多いのだが、これも人事異動を控えた会社員、公務員のストレス解消に釣りに行く機会が多いからかもしれない。

さて、その異動を控えた親戚の若者から干ものが届いた。日本海西部で釣り上げたホッケの開きだ。

「山陰の海は毎日大荒れで、めったに海には出られませんが、出たら必ず大釣りなんです」という。

ボクの場合、3月はいたって暇なので、毎日、閉店時の『市場寿司』に決まり事のように、酒肴持参で昼酒をやりに立ち寄る。

ある春の日の肴は、当然頂き物のホッケの開き。酒は佐賀県鹿島市矢野酒造の純米大吟醸。ホッケを焼く七輪は石川県珠洲市産の切出し。

「たかさん焼けたよー」

店の中でまな板を立て、シャッターを半分閉めて出てきた、たかさん。おもむろに箸でホッケをつまみ、吟醸酒で流し込む。

「なんだかホッケばっかだね」

端境期なのかも知れない。冬の魚と春の魚が交替しそうでしない。市場にくる魚も釣り人にいただく魚も単調で一辺倒だ。

ホッケといえば暮れに小樽からすり身が送られてきた。古くから北海道ではすり身をだんごにして、鍋やみそ汁にする。「これが最高の食べ方さ」という市場人が多く、毎年のように送ってくださる。

年明け、江差からは「根ボッケがとれたので」、と送ってもらい、この巨大な魚体の、脂のりのりの刺身に、たかさんなどうますぎて涙がポロリだった。二月下旬には酒田からきて、これも煮つけなどにして「うまいうまい」と食べた。でもたかさん曰く、「ホッケはそろそろ山形県の隣の、秋田県」だという。

たかさんの場合、飽きたからといって、めぼしいものがホッケしかなければ、ネタもホッケになる。

二月後半くらいより、函館から毎日のように大きな活け締めホッケが入荷してきている。脂はそれほどのっていないが、味がいい。

「ホッケの旬は夏から秋かな。でも冬から春のホッケも悪くないよね」

第一、毎日ホッケでもボクの方はまったく飽きが来ない。

「本来ネタにしない魚だけど、使ってみると、こんなにいいネタもないよ。初めて食べたのは敵情視察の回転寿司だった。それでうまかったから、うちでも使うことにしたの」

「まあ、江戸前ずしじゃアイナメは代表的な白身だよね、親戚筋のホッケを使ってもおかしくない」

「アイナメはやっぱり夏の魚ってイメージがあるけど、ホッケには季節感がない気がするしね。白身なんだけど脂が身全体にまわっていて、舌の上でとろける時期があるし、脂がない時期は白身本来のうまさを感じるしね」

この翌日の朝ご飯が『市場寿司』の握りで、ちゃんとホッケが二かん。これがいい味で、毎日のようにホッケなのに、ボクはイヤじゃない。

この日の午後もたかさんと昼酒で、肴はなんとホッケのすり身だんごのみそ汁。具の玉ネギがこれまた非常にうまい! 関東と関西の酒の肴の違いは、関西では汁ものも肴にするが、関東では汁ものは酒の締めを意味すること。

たかさんも、やっと関西のよさがわかってきたようだ。

たかさんを迎えに来た愛妻も、だんごのみそ汁に超えびす顔。体形もえびす型というのが、すごい。このふたり、高校時代からずーっと一緒なのが自慢。

「そろそろ妻にも秋田県でしょ」

「まさか! ますます愛知県よ」

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。目標は1000種類の寿司を食べること。HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2012年4月1日号の掲載情報です。

関連記事
ゴマフエダイはスズキ目フエダイ科フエダイ属。本州の太平洋側、岩手県でも発見されているので、生息域ははっきりしない。相模湾や駿河湾でも若い個体、稚魚が発見されている。
ワカシは、スズキ目アジ科ブリ属。本来、本州以南を回遊していたが、今や千島列島やオホーツク海にもいる。北海道オホーツク海以南、鹿児島県南岸までの日本海、東シナ海、太平洋、瀬戸内海に生息。
クロメジナ(オナガメジナ)はスズキ目メジナ科メジナ属。メジナよりも大きくなり、三重県熊野市で4.2kgという記録がある。
クサヤモロはスズキ目スズキ科ムロアジ属。外房・山口県日本海側以南、全世界の温帯域から熱帯域に広く生息している。
アブラボウズはスズキ目ギンダラ科アブラボウズ属。紀伊半島以北。オホーツク海、アリューシャン列島、アラスカ湾、カリフォルニアの太平洋の寒冷な海域に生息している。
最新記事
極めた操作性。超軽量&感度のスピニングリール「ヴァンフォード」
ゴマフエダイはスズキ目フエダイ科フエダイ属。本州の太平洋側、岩手県でも発見されているので、生息域ははっきりしない。相模湾や駿河湾でも若い個体、稚魚が発見されている。
魚種豊富な東京湾で季節に応じて様々なターゲットを釣らせてくれる船橋「Friend☆Ship」田岡船長が、この秋に一押しとしているのは、やはりサワラ&青物の2本立てだ!
東京湾、木更津沖のハゼ釣りが開幕!深川の「冨士見」では手慣れた人が二束、三束のハゼを釣り上げる。貸し竿に手バネ竿が用意されているのでァミリーフィッシングにもおすすめだ!

新型コロナウイルス
つり丸編集部の取り組み

船宿一覧

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
つり丸船宿一覧
つり丸定期購読