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釣る前に、食べる前に、カナドという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、カナドという魚を知ろう!

カナドは、スズキ目ホウボウ科カナガシラ属の魚。水深70m以深の砂泥底に多く生息する。青森県から九州までの日本各地沿岸、八丈島、東シナ海。~朝鮮半島、済州島、中国、台湾に分布。

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カナド(スズキ目ホウボウ科カナガシラ属)の生態

主に茨城県から九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、東シナ海。朝鮮半島や済州島、中国沿岸、台湾の、水深60~350mの砂泥地に生息。青森県八戸港、宮城県気仙沼港などでも少ないながら揚がる。漁港などで比較的よく見かけることができ、釣りの対象ともなるのは相模湾以南だと思われる。
図鑑など書籍に初登場したのは『グラバー図譜』だろう。倉場富三郎(有名なトーマス・グラバーの次男)が明治末から昭和初期に長崎市の魚市場に水揚げされたのを記載した。長崎では「かなどう」。漢字では「かなどう」も標準和名のカナドも「金胴」で頭部から胸鰭の辺りまでが金属のように硬いためだ。長崎県ではカナガシラ属総てを「金がつくので金持ちになれる」として縁起を担ぎ節分に食べる。

カナドの値段は?

残念ながら流通しない魚である。希に見つけても、雑魚に混ざっているだけ。唯一売り買いされている長崎県でも近縁種のカナガシラやイゴダカホデリと一緒くたになって安い。1尾では値がつかない魚でしかない。ただし漁師さんなどは味のいい魚としてよく自家消費するそうである。白身でいいだしがでて煮つけや汁ものにして絶品。釣り上げたら持って帰って欲しい魚である。

「カナド」の寿司…その魅力は、身の甘さとうま味

毎年、一月、二月は魚がなくて苦労する。それが今年は暖冬のせいか毎週のように差し入れがきて、たかさん大喜びの日々なのである。

さて、春本番近しであるが『市場寿司』のネタケースには夏の魚(?)、イサキが毎日のように入っている。

市場で仕入れたものもあるが、これを、毎週のように提供してくれているのが常連のナギさんだ。例えば2月半ば、外房で釣って持って来てくれたイサキは三十センチオーバーの脂ののった見事なものばかり。

「アクアラインが出来て近くなったんですよ。昔、勝浦や小湊には一泊しないと行けなかった」

この話を市場内で塩乾を扱っている釣り師の福さんに話すと、

「でも相模湾と比べると遠いよ。こっちはここんところ小田原だ。今週も行くからお土産期待しててよ」

日曜日の午後、そんな福さんからケータイが入った。

「今、どこだと思う。もうちょっとで港。アマダイにサメにトラギス、数え切れないくらい釣れたからね」

その釣果がすごい。小振りではあるがアカアマダイは二十尾以上いる。美しすぎるヒメハナダイに最大級のクラカケトラギスにオキトラギス、カナド、オマケのホシザメなどでクーラーの中が実に華やかだ。

「これだけ釣れると楽しいだろうな。こりゃー小田原に通うはずだ」

「いやいや型が小さいよ。ちょっとだけだけどどうぞ」

とお裾分けしてもらったら、そのちょっとで大形のバットが一杯になった。「こりゃ大変だ」とたかさんが、お客の絶え間をみつけては仕込みをしていたらしい。昼下がりに店に行くと、下ろした片身を丁寧に一枚ずつペーパータオルでくるんでいるところだった。

「少し水分が多い気がするから、明日まで寝かせるよ」

「せっかく来たんだから、少しでもいいから握ってくれないかな」

「ダメダメ。もう全部包んじゃったし、明日まで待って」

「お昼食べてないんだけど」

「一食くらい抜いた方がいいと思うな。痩せたらモテるかもよ」

その翌朝のネタケースは白身だらけだった。アカアマダイとカナドはわかるが、オキトラギスとクラカケトラギスの違いがわからない。

「トラギス二種類いたでしょ」

「え、二種類なの。雄と雌かと思っちゃった。切りつけたら同じだし」

ということでアカアマダイとカナド、そしてトラギス類をつまむ。

「アマダイうまいねー、トラギスも弾力があって甘いし、カナドがこれまたかなり健闘してる」

「ぜんぶ味違うよね」

「この中でいちばんはどれ」

「これかなー」

それがなんと大穴のカナドだ。

「アマダイが本命だと思ったんだけど。すし職人としてはこれなの」

切りつけたネタを三枚並べて、

「じっくり食べてみなよ」

確かにアマダイはとてもうまいが、身の甘さとうま味ではカナドが勝っているように思える。

「意外だね」

「昨日は圧倒的にアマダイとトラギスがうまかったんだ。カナドは食感の点でもビリ。それが今日逆転したのさ。この分だと、明日はもっと差が出るんじゃないかな」

「じゃあ、昨日アマダイ握ってくれてもよかったでしょ。恨んでやる」

残念なことに、これほどの量の白身が一日で売り切れてしまった。

店で「カナド、カナガシラなど『金』がつく魚を食べると金運に恵まれる」と言ったのを聞いた常連さんが、残ったカナドを全部食べて、週末の競馬に備えたらしい。

「当てたのかな?」

「さあね」

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。目標は1000種類の寿司を食べること。HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2016年3月15日号の掲載情報です。

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