キハダ釣りは超エキサイティングだが、事故が起きれば台無しだ


ひとつのナブラに数隻の船が集結することも。まさに激アツ!

相模湾のいたるところでこんな激アツシーンが繰り広げられている!

ヒットルアーは「オズマHW140」(CB-ONE)のシングルフック仕様。

見事キハダをキャッチした木幡義仁さん。20㎏の良型だ。

今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・平塚港「庄三郎丸」。

7月下旬現在、アベレージは20~30㎏。タックルやラインシステムがしっかりしていて、大型魚とのファイトの基本的な技術が身についているアングラーであれば、比較的取りやすいサイズである。ただ、もちろんそれ以上の大型もいる。今期は最大70㎏がキャッチされているから油断はできないぞ!
さて、今回は横浜市青葉区あざみ野にある「プロショップMOGI」の釣行会の仕立船に乗船。ルアーキハダ船では事故やトラブルが時々起きていると聞くが、こういった釣行会やセミナーでは、豊富な知識と技術を持った店員やエキスパートアングラーが乗船し、釣り人たちをサポートしてくれる。初心者も安心して楽しめるので、ぜひ利用してみてはいかがだろう。
8月1日からはコマセ釣りも解禁となり、ますますヒートアップ! 釣りは本来楽しいもの。とくにこのキハダは最高にエキサイティング。事故などが起きれば、そんな釣りも台無しだ。ルールとマナーを守って、安全に楽しもう!
本当に事故が多いので、これだけはしっかり覚えておいて欲しい。ルアーキハダ船で絶対に守らなければならない3つのルール

バーブレスフック、キャストの際の後方確認など、ルールとマナーを守って安全に楽しもう。
ルアーキハダ船で絶対に守らなければならないルールは3つ。
帽子など頭を保護するためのものと、目を保護するためのメガネや偏光グラスを必ず身につけること。くどいようだがルアーキハダ船の船上は危険がいっぱいなので、自分自身を守るための対策は万全にしておきたい。
もうひとつはフックは必ず「バーブレス」。バーブレスとは、カエシのないハリ、もしくはカエシを潰したハリのことである。
絶対にやってはならないのは、せっかくヒットした魚をバラしたくないからと、少しカエシを残すこと。万が一自分を含め人間の体にそのようなハリが刺さってしまった場合、その小さく残ったカエシが引っ掛かってしまい、なかなか抜けないのだ。確実にカエシは潰すことが重要だ。バレるときはカエシがついていてもバレるもの。キハダアングラーなら、正々堂々と勝負しよう。
3つめは、キャストの際は必ず「後方確認」し、「投げます」と声を掛けること。さらに、アングラーの後ろを通る際にも「通ります」などとお互い声を掛け合うことも大切である。
こういったことは、ルアーキャスティング船では基本中の基本。キツイことを言うようだが、このようなルールが守れないのであれば、ルアーキハダ船には乗るべきではない。取り返しのつかない大事故が起きてからでは遅いのだ。
ルアーキハダ船はポイントが陸から遠いことが多いので、万が一事故が起きてしまってもすぐには港に戻れない。事故が起きてしまった場合、被害者は場合によっては1時間以上も苦痛に耐えなければならないのである。
ルアーキャスティングに関する基本的な知識や技術を、しっかりと身につけてからキハダ船に乗っていただきたい

GTなど経験豊富な木幡さんは、落ち着いたファイトでアッという間にランディングしてしまった。やはり、大事なのは経験である。
もうひとつ、あえて書かせていただきたいのが、ルアーキャスティングに関する基本的な知識や技術をしっかりと身につけてからキハダ船に乗っていただきたい、ということ。詳しくは機会があれば紹介したいが、ルアーキハダは「シューティングゲーム」である。ただ漠然とキャストしているだけではキハダは釣れないと言っても過言ではない(適当に投げてマグレでは釣れてしまうのもキハダではあるが…)。ベイトのサイズやボイルの出方、鳥の動きと魚の進行方向などを瞬時に見極め、そこへ適切なルアーを正確にキャストすることが大切である。
そんな基礎知識や技術を持ちあわせていないのに、いきなりルアーキハダ船に乗るのは、日頃何も運動をしていない人がプロの格闘家と闘うようなもの。ゴルフの知識や技術がないのに、いきなりコースに出る人がいるだろうか?
それはキハダ釣りでも同じこと。相手はマグロである。今年の相模湾でいえば、サイズはアベレージで20〜30㎏。大きいものは70㎏までキャッチされている。釣りのなかでも難易度は最高ランクだ。
そこでとくに初心者の方におすすめしたいのが、今回取材したようなショップの釣行会や、船宿、SFPC(スポーツ・フィッシング・プロモーション・コミッティー)といった釣り団体などが主催するスクールを利用すること。
初心者がいきなり一人でキハダ船に乗るのは不安がいっぱいだが、スクールや釣行会には豊富な知識を持つ店員やエキスパートが乗船し、タックルのアドバイスやキャスティングやファイトのテクニック、マナーやルールなどを親切に教えてくれるので安心だ。
もうひとつの方法としては、決してシイラをさげすむわけではないが、シイラ船から始め、ステップアップしていくこと。シイラゲームは、オフショアルアーキャスティングゲームの基礎といっていい。キャスティングテクニックはもちろん、魚や鳥の動きの読み方、ルアーの動かし方や食わせ方、やり取りなど、ある意味キハダよりもゲーム性が高い。キハダをコンスタントに釣り上げる人は、シイラ釣りのエキスパートと言っても過言ではない。
8月からはコマセ釣りも解禁し、ますます激アツ化する相模湾のキハダ。こんなにも素晴らしい魚をこんなにも身近に狙えるフィールドは、日本でもここだけである。ルールとマナーをしっかりと守り、みんなで安全に楽しみたい。
以上の記事は「つり丸」2014年8月15日号の掲載情報です。
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