最後の最後で咲かせた一輪の真紅の美しさ


せっかく本命を掛けたが…、サメにシッポを食われてしまった。本命のアタリか確信が持てず、待ちすぎてしまった。

吉博船長は、船宿記録を更新する64㎏のアブラボウズを釣り上げた。

ポイントの水深は約1000m。スカイツリー+東京タワー分の深さだ!

オモリは2㎏。それでも投入から着底まで10分以上かかる。

今回、取材にご協力いただいたのは、静岡・富戸港「ひろし丸」。

2009年の筆者初釣り以来、荒天や超早潮などが続き、さらに昨年はアキレス腱断裂で長期休業。気が付けば丸4年、富戸沖にベニアコウを浮かべていない「ひろし丸」日吉博船長。
1月中旬に久々挑んだ1000mでは自らの手で船宿記録を更新する64㎏のアブラボウズを上げ「前哨戦」を飾り、今期は上昇機運を感じさせる。
2月9日。スカイツリーに東京タワーを重ねた千尋の底に仕掛けを下した筆者達。お約束の「黒提燈」イバラヒゲや深海ザメ、1日数回しかないチャンスを台無しにしてくれるアブラソコムツ。さらに動かぬ潮に奪い喰い…容赦ない超深海の洗礼を凌ぎ切り、最後の最後で咲かせた一輪の真紅の美しさ。
「達成感」に人目もはばからず、全身で歓喜を表現する筆者に日吉船長は安堵の笑みを湛えた。
以上の記事は「つり丸」2013年3月15日号の掲載情報です。
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2009年以来、ひさびさに釣り上げた富戸沖のベニアコウ。小ぶりな1匹だったが、やはりベニを手にする感動は大きい。