
剣崎と聞いてまず思い浮かべるのはマダイやワラサですね。特に今の時期は普通に考えれば、まあマダイですわな。そりゃあ確かに正しい。まさか、カサゴなんて答える人はいないでしょう。いたら根魚偏愛主義者かヘンタイですよ。
で、いま、そのカサゴがめっちゃいい感じで釣れているんですよ。知らなかったでしょう。いいんです、知らなくても。そこで、どかーんと紹介することにしましょう(ナイショにしておいて自分だけ楽しむっていう選択肢もあったけど)。
松輪瀬の乗っ込みマダイポイントへ急行する船を尻目に、「棒面丸」は水深30mほどのポイントでスローダウン。「かけ上がりのポイントですから少しずつ浅くなっていきます。根掛かりはありますが、底狙いの方が食いが良いです」とカサゴ船の吉田純一船長。
朝から「潮がまったく流れない」と船長は言うものの、いきなり30㎝オーバーが出た。それからも食いは続いてキジハタや34㎝のジャンボカサゴまでもうやりたい放題! これでも最盛期はまだまだこれからっていうんだから、これはホントすごいですよ。
ワタシ、いま剣崎と聞くと「カサゴ」って答えちゃうかも!!
いきなり30㎝オーバーが出た。それからも食いは続いてキジハタや34㎝のジャンボカサゴまでもうやりたい放題!

今季最高の食いで、カサゴだけで23匹。計測したところ、最小でも22㎝あった。

見てください! カサゴの勇姿を。こんなサイズのカサゴがフツーに釣れちゃう。これが剣崎沖の底ぢからだ!

筆者も超弩級のカサゴ釣りを楽しんだ。今季最大の34㎝にはシビレタ!

30㎝級のダブルもあって、大きなタルはあっという間に埋まっていった。

「とんでもない引き」でやってきたのは2㎏級のキジハタだった。「こんな魚がいるんだねえ」
カサゴ釣りはオーソドックスな胴付き仕掛けで狙う。ただし、竿は軟らかめのほうがいい

「メバルの竿を使ってるんだけど、最高だよ!」

「棒面丸」のカサゴ釣りはオーソドックスな胴付き仕掛けで狙う。ただし、竿は軟らかめのほうがいいと船長は言う。
「食い込みがよくなるので軟らかい竿の方がいいですよ。底ダチを取るのは硬いほうがラクですが、食わせるほうが重要です」
この日、乗り合わせた人たちが使う竿は、メバル用の軟調竿や2m前後のライトゲーム用が多かった。リールは小型両軸で、道糸は1〜2号。
仕掛けは、胴付きの2、3本バリ。
「市販の物でも作ってきてもらってもいいですよ。ハリスは3号でいいと思います。細くしても食いは変わらないですよ。ハリは大きめのハリでもいいですよ」
ハリ数は好みで2、3本にする。これはどちらでもいいだろう。
エサはサバの切り身と冷凍カタクチイワシ。ほかにも使いたいエサがあれば持参しよう。キビナゴなどもよさそう。
取材日は、開始から左舷側はいきなり食い出すも、右舷はまったくと言っていいほどアタリがなかった。さすがにこれは潮だけの問題はなさそうで、よくよく観察してみれば、左舷側のふたりはイワシエサを使っていた。それに対して右舷側はサバのみ。
それで、イワシエサを併用したところ一気にアタリが出た。その後も、イワシのほうが食いが良かった。日にもよるだろうが、もしアタリが少ないな、というときはエサを替えてみよう。
カタクチイワシのエサは「ちょっと大きいな」と思ったが、1匹釣ってみると全然大きくないのがわかる。それほどカサゴのサイズがいいのだ。
根掛かりが多い場所だが、根掛かりを恐れてオモリを上げてしまうとアタリは確実に少なくなる

エサはサバの切り身と冷凍カタクチイワシ。自分で各種用意するのもいいだろう。

「かけ上がり、かけ下がり、ゴツゴツの根の中などを攻めます。根掛かりが多い場所ですが、根掛かりを恐れてオモリを上げちゃうとアタリは確実に少なくなります」
カサゴのポイントは、カサゴが隠れて生息できる根周りだ。泳ぎ回る魚ではないので、できるだけ海底スレスレにエサが漂い、カサゴにエサを見つけてもらうようにしよう。
釣り方は底ダチをマメに取り直しながら、海底をトレースしていく。吉田船長は、「根のフチに入って行きます。いい場所です」とか、「かけあがって行きます。ゴツゴツの根の真ん中に入りました」など、細かく地形をアナウンスしてくれるので、イメージしやすい。
「誘いはそんなに必要ないかもしれませんが、地形の変化に合わせてマメに底を取り直してください。これが誘いにつながりますから」
オモリをトントンし、地形の変化をうかがいながらアタリを待つ。
カサゴのアタリは、「ガツガツ」といきなり大きなものが多い。「ブルブルブル」とか「プルプル」みたいなのは、エサ取りのネンブツダイやベラなど。本命カサゴとはまったく異なる。
アタリがあったらそのままハリ掛かりすることも多いが、しっかり食い込んでいないときもある。
「そんなときは、ゆっくり竿を大きく聞き上げていきます。エサが離れると思ってしっかりと食い込んでいきます。注意するのは、送り込むことです。送り込んじゃうと、魚が根に潜ってまず外れなくなります。アタリがあったら竿を上げていくとこを意識しましょう」
ハリ掛かりしたらやり取り。途中信じられないような強い引きがあるかもしれないが、竿の弾力で耐えよう。取り込みは抜き上げで大丈夫だが、心配なときはタモ入れしよう。
以上の記事は「つり丸」2013年5月1日号の掲載情報です。
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今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川・剣崎松輪「棒面丸」。