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釣る前に、食べる前に、イサキという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、イサキという魚を知ろう!

イサキは、スズキ目イサキ科に属する海水魚の一種。東アジア沿岸の岩礁域に生息する魚で、食用や釣りの対象として人気が高い。

イサキ(スズキ目スズキ亜目イサキ科イサキ属)の生態

本州中部以南の浅い岩礁域に生息。産卵期前の初夏が旬とされるが、なぜか厳冬期のイサキも脂が乗っている。
イサキは東京での呼び名で、「斑」を古くは「いさ」と発音、「き」は魚を表すとされ、「斑紋の目立つ魚」の意味。ようするに斑紋が目立つのは小さいときなので、岸部近くでよく見かけるサイズから名がついたことがわかる。また「イサキ」はイサギ、イッサキ、イセギ、イッサクと変化しながら各地に点在する。骨が非常に硬く、カジヤゴロシ、麦の収穫期に味がよくなるのでムギワライサキ、同じく梅雨の時期のものをツユイサキなどともいう。
流通の場で見ていると、ここ数十年入荷量が増えてきている。夏場の魚の少ない時期にも入荷量が落ちないので、料理店などにとって貴重な存在で、取り扱い方、大きさによって値段が乱高下する。大きければ大きいほど高く、野締め(漁の途中で死んだ)ものよりも活け締めの方が高い。

イサキの値段は?

5月から8月の最盛期、30センチを超えて、しかもちゃんと締めたものなら、間違いなくキロあたり3000円くらいになり、1尾で1500円〜2000円くらいはする。

イサキの釣行レポート

イサキを確実に釣らせてくれるのが、「第18とび島丸」の鈴木健司船長。コマセマダイのカリスマ船長で有名だが、釣るのが難しいといわれている石花海イサキを高度な操船技術を駆使して、誰にでも釣らせてくれる。

「船長の指示ダナをきちんと守るだけでここのイサキは釣れます。周りの人たちも当たりダナを教えてくれますから、そのタナをみんなで集中的に攻めるのがコツです!」と話すのは、大原港「春栄丸」の若船長、白川永一さん。

渥美半島大山沖では、数多く設置された人口魚礁周りでイサキが旬を迎えている。このイサキの特徴は、とにかくうまい。体高があってでっぷりとした個体は、脂がたっぷり。知る人ぞ知る激うまイサキなのだ。「今年の大山沖のイサキは例年どおりに釣れてますよ」と話す、知多半島の先端、大井港「かごや丸」間瀬裕市船長。

「イサキ」の寿司…心地よい食感、脂の甘さ、独特の風味を感じる

旧暦七月七日(新暦では八月中旬)、将軍家に藩から刺鯖(塩さば)を送ったのがお中元の始まり。五月初旬、宮崎の釣り人から「お中元代わりに」とイサキが毎年送られてくる。その宅配便を、すし職人のたかさんと「お中元には早すぎだろ」なんて言いながら開けるのが、今では年中行事のようになっている。

新緑の頃になると日本各地で一斉にイサキ釣りが始まる。

年始とともにウイリーを作り始めるベテラン釣り師、そばやの浅やんが、吹き出した若葉を見て武者震い。年間を通してアジ釣りに通うが、初夏だけはイサキを釣ると決めている料理店主もいる。

なんだかイサキ釣りには華やいだ感がある。

当然、五月の声を聞くと、『市場寿司』のネタケースにも毎日のようにイサキが並ぶ。

「最近、もらいものも多くてね。これじゃいちばんいい時期の前に(イサキに)お客が飽きちまう」

なんてうれしそうに笑う。実はたかさん、今でも恋愛中という妻ともども、イサキの塩焼きが大好物なのだ。きっと仕入れには、塩焼き用のイサキが含まれているのだろう。

ネタケースには赤身、中トロ、大トロ、こはだ、煮穴子、ヒラメに赤貝、タコ、煮たバライカ(関東の麦イカ)、生イカが並んで、その中心にイサキが山盛りになっている。

「あのさー、意外に難しいんだよ、イサキって」

「なにが?」

「握る順番さ。例えばね、一かん目を赤身にするだろ、次がイカか、こはだで、穴子がその次。そして白身で、次がイサキてのも変だし」

「ここだとウニかな?」
「そう、ウニかイクラにする。ちょうど口がおごってきたときに、イサキかな、と思うんだけど、ウニ、イクラ以上に味が強いときがある」

「中トロ、大トロが出しにくいね」

「そうなんだ。中トロや煮穴子、イクラと同格になるんだよね。順番がこんがらがってくる」

「握る順番って習うの?」

「ある程度はね。味の強いネタを続けないとか、最後は卵焼きにして、終了の合図にするとかね」

この日のボクの朝ご飯はイサキの握り、こはだ、イサキ、煮イカ、イサキ、煮穴子、イサキ、卵焼き。

最初のイサキの、心地よい食感に酔い、次のイサキに脂の甘さを感じ、その次のイサキに磯魚の持つ独特の風味を感じた。穴子や煮イカなどの味の強いネタに負けていない。

「この順番、なにか意味あるの?」

「ないよ。イサキ多すぎるから」

まったくいい加減だ。でもこの時期のイサキは、まだ脂がほどほどでマグロでいうなら赤身だろう。すしネタを相撲の力士に例えて、赤身が三役だとしたら、イサキは十分三役の役目は果たしている。

五月が過ぎて、梅雨時期のイサキは大関、ときどき横綱級になる。

梅雨のあとさき、このイサキ責めも悪くはない。

たかさん、冷蔵庫からまたイサキを取り出した。

「それは?」

「今日仕入れたやつ」

釣り人が送ってきたものと比べるとイマイチなので、今夜のおかずにするのだという。

「やっぱりイサキは塩焼きだよね」

「そうかな、島根の漁師さんは塩焼きよりも煮つけがいいって」

「バカ言うんじゃない。江戸っ子ってのは、イサキは塩焼きに限るんだい。田舎もん」

「あれれれ? たかさん、生まれたの、静岡県、じゃなかった?」

「女房は江戸っ子だもん」

「違うでしょ。八王子生まれは江戸っ子じゃないよ!」

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。目標は1000種類の寿司を食べること。HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2012年6月1日号の掲載情報です。

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