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爆釣だっ! 手バネ竿で釣るシャクリマダイ【内房・上総湊沖】

爆釣だっ! 手バネ竿で釣るシャクリマダイ【内房・上総湊沖】

「昨日は9.6㎏が出たんだな!」他船ではあるが、「とう市丸」と同じシャクリマダイだ。ポイントも同じなので、どの船に釣れてもおかしくはない。「東京湾で9㎏台のマダイって、最大レコードじゃないか!?」そんな興奮状態の釣り人たちを乗せた「とう市丸」が、定刻になると静かに港を出た。このとき、残った導火線はあとわずかだった。

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乗っ込みの良型マダイが連発!

当日最大は4.5㎏の乗っ込み大ダイ!

こちらは2.2㎏。

取材当日の良型、大型はこのとりおり。

今回、取材にご協力いただいたのは、千葉・上総湊「とう市丸」。

「始まったね! これはもう乗っ込みだよ!」
3.2㎏の大ダイを手繰り寄せた鈴木満さんが、そう叫んだ。吉野泰治朗船長がタモ取りしたマダイは、濃く黒ずんでいた。
前日までの「とう市丸」の釣果は、18日の最大は3.6㎏で1〜3枚。20日の最大は5.3㎏で1〜2枚だった。想像に難くないマダイ釣りの釣果だ。だがこの日は、開始から一時間半が経った頃から爆発的なシーンが展開された。
左舷ミヨシの鈴木さんが、ビュッとアワセを入れた。手バネ竿がカランと音を立てて転がる。鈴木さんは、道糸を力強く手繰り始めた。浅場のマダイは走る。時おり訪れる強引な引きにも、鈴木さんはその都度腰をかがめて手の道糸を滑らせていた。
緊迫したやり取りが続き、やがて中オモリが取り込まれた。大船長がタモアミを構える。尻びれで海面を叩いて水しぶきを上げたマダイ。この一枚で、船上のボルテージがマックスに達した。
右舷ミヨシの大西さんがこれに続き、次に右舷胴の間で持田さんが良型のクロダイ。続いて鈴木さんが二枚目を上げた後、間髪入れずにこの日の最大となる4.5㎏の大ダイを釣り上げた。
まだ終わらない。大西さんが二枚目、三枚目と連釣。この三枚目も3.5㎏だ。そして船長がマゴチを釣って場を和ませても、まだ勢いは止まらなかった。鈴木さんが四枚目。右舷トモの佐藤さんが二枚目。左舷胴の間でも二枚目。そして、持田さんが2.2㎏のマダイを取り込んだ。
時間にして約三時間。その都度タモ取りで釣り座を離れる船長と、その都度カメラを手に走る私を除き、全員が複数枚のマダイを釣った。しかも良型ばかりだ。こんなマダイ釣りは、これまでに見たことがなかった。

「とう市丸」のマダイ釣りは、手バネ竿で釣るシャクリマダイだ。いざ、挑戦!

上総湊周辺でおこなわれるマダイ釣りは、手バネ竿とナイロンラインを使った伝統釣法が楽しめる。

エサは生きエビを使用。

テンヤは1〜2号を使用。

一定のペースでシャクっていく。

やり取りは道糸を手繰る。

爆釣を目の当たりにして、うずかないわけがない。釣り座に戻り、竿を手にした。
「とう市丸」のマダイ釣りは、手バネ竿で釣るシャクリマダイだ。シャクリ竿の糸巻きには道糸であるナイロンラインが巻かれている。その先に中オモリがあり、その下に5ヒロのハリスを結んで、一番先にテンヤを結ぶ。ナイロンラインには、10ヒロ、15ヒロ、20ヒロにマーキングが施されていて、道糸を出すときにはこれを目印にする。
私が竿を手にした時、船長の指示ダナは18ヒロだった。
「道糸ひと巻きが0.5ヒロですから、20ヒロのマークまで出しちゃって、それから4回巻き取れば18ヒロですよ」
慣れない手さばきの私を見て、鈴木さんがそう教えてくれた。そのとおりに道糸を出して投入し、道糸が張るのを待った。
「エビが跳ねるようなイメージでシャクるんだよ」
竿を貸してもらったとき、船長がそう教えてくれた。30数えるくらいのタイミングでシャクリを入れ、そして竿先を戻す。この動作を何度も繰り返した。だが気が付くと、いつの間にか船上の空気はまったりとしていた。
爆釣タイムは終わりかぁ…。そんなことを考えていると、コツっとアタリが出た。じっと竿先を見つめ、ドキドキしながらその時を待った。グイっと竿先が入る。アワセを入れると、重みが乗った。来たぞ! 竿を釣り座に置き、道糸を手繰る。中オモリを取り込んで、ハリスを手繰ると赤い魚が浮いてきた。
『やっぱり釣りが…』
あれ? なんだ、カサゴじゃん!
「カサゴやマゴチが釣れたときって、テンヤが下過ぎるんですよ。竿先を下げ過ぎてるんです」
鈴木さんが、そう教えてくれた。道糸でタナを合わせられるのは、0.5ヒロ単位。「とう市丸」のひとヒロは160㎝なので、80㎝だ。50㎝タナがずれるとアタリが遠くなるこの釣りでは、繊細なタナ合わせは竿先の上下で調整するということだ。

船長の優しさが、胸に染み入った…

船長、ありがとうございました!! また、伺います。

「取材なんだからしょうがないよ。釣れてたあの時間帯は写真撮ってたんだからさ」
乗船客たちが降りた船上で、船長がいつもの穏やかな笑顔で慰めてくれた。優しい泰治朗船長だからこそ、余計に胸にしみた。
「今年はどうかと思ってたけど、いよいよ始まったね。こうなると釣れるよ。5㎏、6㎏なんてのがね。だいたい次の年の3月くらいまで続く。だから、またおいでよ」
船長はそう言いながら、私の背中をポンポンと優しく叩いた。

以上の記事は「つり丸」2017年8月1日号の掲載情報です。

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