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釣る前に、食べる前に、ナミフエダイという魚を知ろう!

釣る前に、食べる前に、ナミフエダイという魚を知ろう!

ナミフエダイは、スズキ目フエダイ科フエダイ属の魚。成魚はサンゴ礁域や岩礁域に生息する。幼魚は河川汽水域の周辺などに見られ、黒潮にのって南日本太平洋側の沿岸にも見られたりする。

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ナミフエダイ(スズキ目フエダイ科フエダイ属)の生態

高知県などでも見られるが、主に鹿児島県、沖縄県などのサンゴ礁、岩礁域に生息しているもの。フエダイの仲間は沖縄県では重要な食用魚で、釣り魚としても人気があるが、なかでも珍しい魚のひとつらしい。
「なみ」は「並」ではなく「波」で頭部に波状の筋模様があるため。沖縄県宮古でサザナミというのも同じ意味。沖縄本島ではイクナー、八重山ではイナフクー、鹿児島県ではムキと呼ばれている。
鹿児島県では本種やフエダイは初夏を告げる魚とされている。脂がのった初夏のものは鹿児島県諸島部を代表する味覚で、非常に人気が高い。水揚げがあると引く手あまた。当然、暑くなり、汗ばむ時期になると値段もうなぎ登り。
これが東京築地などにくるとむしろ珍魚扱い。若い仲卸さんが、「顔の縞模様がなければね」、と鹿児島県の半額で売っていたことがある。ところ変われば価値変わるで、こんなところに水産物の面白さがある。奄美大島の漁師さんの間では釣り味よし、味もよし、値段もよしと言う。

幼魚は伊豆半島でも見つかっている。

成魚は和歌山県串本、高知県柏島などでも水揚げされているが、基本的に鹿児島県屋久島、沖縄県などに多い。

また西太平洋、インド洋に広く生息域を持つ。

ナミフエダイの値段は?

もっとも美味とされる2キロ級の卸値でキロあたり3000円前後、1尾6000円ほどもする。すしネタとしても超高級なものらしい。

国内ではまだあまり知られていないが、熱帯域のオセアニア海域から台湾まで、おしなべて高級魚とされている。

熱帯域で買ったときも他の魚よりも遙かに高値であった。

それだけおいしい魚だということだ。

特に中華料理の材料として人気があった。

熱帯域では柑橘類の葉と煮てスープにするのだけど、中華料理では蒸して食べる。
 
国内では主に刺身やすしダネとなっている。

最近、三重県、和歌山県でもとれていて、徐々に人気が高くなってきている。最低でも1キロあたり卸値3000円、高いと卸値5000円もする。

今回の固体は非常に上物、0.5kgなので1尾卸値2500円だ。

最近、徐々に人気が高くなってきている魚だ

「ナミフエダイ」の寿司①…白身魚ってこんなに甘いんだっけ?

会社の都合で、兵庫県明石市と八王子市を行ったり来たりの釣り師・村さんは、『市場寿司』ではお客というよりも、美味しい魚を持って来てくれる福の神といった存在。

ある朝、店の脇に巨大なクーラーが置かれていて、でっかい魚の尾鰭がはみ出している。なんだろう、とのぞくと全長八十センチはありそうな、ハマフエフキ。店の中からたかさんが「五キロもあるよ。村さんが三宅島で釣ったやつ」と言う。ハマフエフキの「はま」は「幅大」の略であって「大」という意味だというが、その証明のようだ。

この巨大なハマフエフキがうまい。沖縄三大高級魚は「あかじんみーばい(すじあら)」、「あかまち(ハマダイ)」、「まくぶ(シロクラベラ)」とされるが、ときに「たまん(ハマフエフキ)」が「まくぶ」と入れ替わる。確かに食べてみると、三大に入れたくなる気持ちがわかる。

ハマフエフキを数日かけて堪能、熱帯に想いを馳せていると、グッドタイミングで鹿児島市の仲卸・田中水産さんからケータイ。

「ナミフエダイ前に送りましたばい。またどうでごわす?」

傍らで聞いていた、たかさんが

「欲しいよー。白身欲しいよー」

手を合わせるので、優しいボクは送っていただくことにする。

鹿児島県からは航空便なので、翌日には我が家に到着。午前中は仕事で、午後になって『市場寿司』に持っていくと、三キロの魚体があっという間に三枚下ろしになる。たかさんこと、すし職人・渡辺隆之さんの外見は、明らかに(いい意味での)ぼんくらだが、魚を下ろすことにかけては多摩地区随一、と本人が言っている、だけのことはありそう。

見事な白身で、血合いが美しい。あまりにきれいなので、刺身でまず食べる。ただし味はイマイチ。

「この手の魚って、明後日くらいじゃない。明後日おいで」

ということで、素直に明後日、『市場寿司』ののれんをくぐる。

日差しが強く蒸し暑い昼下がりなので、まずはビール(持参)で喉を潤し、かまの塩焼きをいただく。「ビールがうまい季節到来だな」、なんて塩焼きをひと箸いただいて、ビックリ。思わず箸を置き手で持ってむさぼり食う。香りに甘みがあり、身がしっとりとして、豊潤。

「たかさん、いきなり顔面にストレートくらったようだ」

「そうだろ、次はボディブローだ」

と、出てきたのが刺身。大急ぎでビールを飲み干し、なにもつけないで口に放り込む。臭みはまったくない、甘味がきて、じんわりとうま味が舌に広がる。もうひとつ今度はしょうゆをちょんとつけて、食べる。

「たかさーん、これはたまららんばい。酒がすすみよるばい」

たかさんが奥多摩の酒、澤ノ井の純米吟醸をそそいでくれる。

「どうだ。うまいだろ」

「ついつい薩摩弁が出るくらいうまい、ばーい」

しめは握り。塩とはしりのすだち、皮をあぶったものなど、いろいろやってみたが、素直に皮を引いて握ったものがいちばんうまい!「白身魚ってこんなに甘いんだっけ?」と頭の中が感嘆符でいっぱいになる。二かん、三かんと食べても、飽きが来ない。うまさが止まらない。

「鹿児島県人には、梅雨入りから明けにかけての『むき(フエダイ類)』って特別なごちそうなんだって」

「わかるねー。秋の明石鯛に負けねーかもしれないね」

午後三時、たかさん、手早く店じまいして、一人前の刺身を作り美しく皿に盛りつける。これを保冷バッグに入れ一緒にバス停まで来て、バスには乗らず「バイバイ」。刺身を孫に食わせたい、って本当か?

以上の記事は「つり丸」2014年7月1日号の掲載情報です。

「ナミフエダイ」の寿司➁…「並」じゃない「特上」フエダイだ!

数年前、熱帯の危険地帯から帰国したら、玄関に宅配便の不在票が落ちていた。

帰国に合わせて送ってくれた魚を受け取って箱を開けたら、腰が抜けるほどビックリ!

熱帯で帰国間際に銃に守られながら食べた魚、そのものだったのだ。
 
夢にまで見ていた魚だった。

それが熱帯のマーケットに無造作に並んでいたのだ。

早速現地のオッカサンにお願いして、柑橘系の葉を入れたスープで食べた。

あまりのうまさに男泣きに泣いたばかりだ。
 
まさかそれが、帰国後すぐに、今度は鹿児島から送られてくるなんて。

興奮気味にたかさんに話したら、

「それ普通。めったにないことがあったら、めったにないことが続くの。この魚と縁ができたんじゃない」
 
この、予言がズバリ大当たり。毎年何尾も送られて来ている。

明らかに温暖化のせいだけど、新しい高級魚の登場ともいえそうだ。
 
話は変わるが、知り合いの占星術師曰く、今年は、ボクの人生の転換期に当たるそうだ。

久しぶりに船釣りに出掛けたのも、その現れかも。
 
羽田出船でキス釣りをした。

一年でいちばん食い渋るとき、などとおどされたが、形のいいシロギスが飽きることなく釣れて、めでたくツヌケ。

午後のマアジも入れ食いだった。ボクはどうやら釣りの天才らしい。
 
話をボクと縁深い魚にもどす。

新年、七草がゆを食べていたら、宮崎の釣り師から巨大なのが送られて来た。

鏡開きのときには三重県からも来た。

これをたかさんと刺身と握りで楽しみ。

味のよさを再確認した。
 
そしてバレンタインデーも過ぎ、ひとり淋しく沈んでいたら、ボクと縁深い魚がまたまたやって来た。
 
何年も会っていない友人夫婦からで、初めての沖釣りで釣れた魚いろいろと、まったく新しい仕事の依頼と、「遅ればせながら」と妻手作りの義理チョコまで入っていた。
 
同級生の夫婦は、沖縄の離島に体験的に移住している。

夏は生まれ故郷の長野県で暮らすはずが、今年はコロナで一年を通しての沖縄暮らしとなってしまったようだ。
 
小振りのロウニンアジ、シロブチハタ、「げんなーいらぶちゃー(ナンヨウブダイ)」に、ボクと縁深い魚、頬に波模様のあるナミフエダイも入っていたのだ。

これをこのままたかさんに渡したら、

「あっ、ナミフエダイだ。こいつぁー春から、縁起がいーい、やー」
 
なんて大喜び。あっと言う間に刺身にして、じっくり味見する。

「脂はそんなに乗ってないけど、やっぱり最高だね。後を引く味だよ」

「醤油つけないで食べてもうまい。こんな魚はほかにはないね」
 
お昼ご飯に握りをつまむ。

「前回の三重と比べると脂はないけど、味に奥行きがあるね」

「そうだね。前回のは、つけてても指に脂が感じられたよね。今回のは、それがない。白身らしい白身だね」
 
途中、中トロをつまみ、またナミフエダイの握りをつまんでも、インパクトの強さはほぼかわらない。
 
たかさんが珍しく刺身にして、自宅用に折りにつめている。

卵焼きに、イクラに、赤貝のヒモのなめろうも詰めて、今夜は夫婦仲良く晩酌かな。
 
ついでにボクにもあらを袋に入れ、折りを出してナミフエダイの握り、腹身のあぶり、背のづけ、皮は湯引きして詰めてくれた。

小振りなので一尾が跡形もなく消えた。

「珍しいね、自宅で刺身を食べるなんて。この魚にほれたのね」

「この魚は並じゃない。特上の上」

「こんど魚類学会にお願いして、特上フエダイに改名してもらう」
 
本種の古い和名は体の白い斑紋を星に見立てて、ホシタルミという。

星に願いを、今回だけは占星術を信じて、今年はきっといい方に変わる。

◆協力『市場寿司 たか』
八王子市北野八王子綜合卸売センター内の寿司店。店主の渡辺隆之さんは寿司職人歴40年近いベテラン。ネタの評価では毎日のようにぼうずコンニャクとこのようなやりとりをしている。本文の内容はほとんど実話です。

文責/ぼうずコンニャク
魚貝研究家、そして寿司ネタ研究家。へぼ釣り師でもある。どんな魚も寿司ネタにして食べてみて「寿司飯と合わせたときの魚の旨さ」を研究している。目標は1000種類の寿司を食べること。HP『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』も要チェック。

以上の記事は「つり丸」2014年7月1日号の掲載情報です。

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