寿司の釣り記事一覧

「チョウセンバカマ」の寿司…脂はのってないが上品で後味がいい

「チョウセンバカマ」の寿司…脂はのってないが上品で後味がいい

本当に暑い。暑いじゃなくて熱いって感じだ。この熱気にバテバテになった頃、故郷から届くものがある。スダチに山桃、青唐辛子に、でっかいきゅうりに、みょうが、そして手延べ素麺。きゅうりとみょうがを刻み塩もみ、スダチを落とす。冷たく冷やしたチョウセンバカマの潮汁にこれまたスダチを落として、スダチ入りの酎ハイ。


「コガネスズメダイ」の寿司…ねっとりとして脂からくる甘味が強い

「コガネスズメダイ」の寿司…ねっとりとして脂からくる甘味が強い

たかさんが「プールサイ…♪」なんて鼻歌を口ずさむ。「夏が来りゃ」か、いつの間にやら本格的な夏が来てしまった。取り残された気分で、若くてきれいな編集者に「ボク寂しい」って言ったら、「もうお歳なんですから寂しいのにもなれてください」と言われた。夕暮れ時に一人寂しく、コガネスズメの塩漬けを焼いて酒をあおる。


「メダイ」の寿司…口に放り込むとうま味豊かで何かんでもイケそう

「メダイ」の寿司…口に放り込むとうま味豊かで何かんでもイケそう

都心での打ち合わせがとても多い今日この頃だ。日本橋を歩いているとき、いつも携帯している温度計を見ると四十度超えだった。お昼ご飯を食べながらもついついビール、喫茶店に入ってもビールで、しまいには体調不良で苦しむことに。久しぶりの自宅酒は熱燗にした。肴はメダイのあらの潮汁。吹き出る汗が意外にも気持ちいい。


「カサゴ」の寿司…うま味のなかに、甘味が少しだけプラスされている

「カサゴ」の寿司…うま味のなかに、甘味が少しだけプラスされている

市場にぽつんと紫陽花が生えている。そこにでんでん虫が一匹いた。「きっと誰かが連れて来たんだ」と優しいたかさんがお隣の公園に逃がしてやった。「きっとお礼に来るよ」と言ったら、本当に寝ている部屋にでんでん虫が五万匹くらいやって来たらしい。「来て欲しくねー」。蒸し暑い夕方、カサゴのあら煮で、泡盛のロックをクイクイ。


「マコガレイ」の寿司…舌に触れた途端に甘味が味蕾を激しく刺激する

「マコガレイ」の寿司…舌に触れた途端に甘味が味蕾を激しく刺激する

たかさんは、最近ますます「つり丸」に登場する若い女性釣り師に夢中だ。「日焼けは大丈夫なのかな」とか、どことなくお父さん目線でもある。それなら一緒に釣りに行けば、というと、船がまるでダメなので「見送りに行きたい」と言い始めた。意外に一途なのかも。雨上がりの夕方、マコガレイの塩焼きを肴に泡盛のソーダ割り。


「ワキヤハタ」の寿司…魚本来のうま味からくる甘味が後々脂に交代

「ワキヤハタ」の寿司…魚本来のうま味からくる甘味が後々脂に交代

春よ来い♪♪ 早く来い♪♪ たかさんが店の前の掃除をしながら歌う。オヤジが歌っても春は来そうにない。やっぱり可愛い女の子が歌わなきゃ、なんてボクの頭の中も少しだけ春かも知れない。春よ来い♪♪ 故郷からたっぷり生ワカメが届いた。深酒の後、ワキヤハタのあら汁を作り、ワカメを沈めたら、ぱっと新緑の色合いに。


「アオチビキ」の寿司…舌にねっとり絡みつきながら表面が溶けて甘い

「アオチビキ」の寿司…舌にねっとり絡みつきながら表面が溶けて甘い

今年の夏の大発見一、暑過ぎる昼下がりの熱燗はうまい。発見二、日焼けした若い女の子はとても色っぽい。発見三、熱中症になりかけたオヤジのオヤジギャグは受ける。発見四、例えばたかさんのように老齢のご婦人にもてるオヤジは、若い娘にはモテない。と言うことでアオチビキの塩焼きを肴に昼下がりの超熱燗をグイグイ。


「マダコ」の寿司…すし飯と混ざってそこに爽やかなきゅうりの味

「マダコ」の寿司…すし飯と混ざってそこに爽やかなきゅうりの味

ある日『市場寿司』でたかさんが「オーブントースターで温めて食べてね♪」とお土産をくれた。「なあに?」と聞くと「鮹さんが釣ったタコの頭で作ったタコ焼きだよ」だった。さっそく鮹さんが釣ったタコの頭で作ったタコ焼きでビールを飲んだ。さすがに明石のタコの頭で作ったタコ焼きはうまい。「鮹さん、またタコ釣ってきて」。


「カラスザメ」の寿司…身にこくがあり、すし飯に負けない個性がある

「カラスザメ」の寿司…身にこくがあり、すし飯に負けない個性がある

「伊豆に河津桜を見に行ってきました」と、友人から聞いて、「いいね!」なんて言ったのは遙か昔に。連チャンでキンメ釣りに行った釣り名人・蛸さんに本命キンメダイとカラスザメをいただいた。今度はちゃんと棘を切り取ってから皮を剥いた。こいつを煮つけて、上州は群馬県の純米酒のアテに。ほろ酔い気分で春爛漫なのだ。


「オキアナゴ」の寿司…みりんとしょうゆの香ばしい香りで味が増す

「オキアナゴ」の寿司…みりんとしょうゆの香ばしい香りで味が増す

「夏のようだ」、たかさんが店の前に水をまきながら汗をぬぐう。「ビールがうまいね」と仕事を終えた市場人が大勢集まって楽しそう。今年は春が早足で過ぎ去ってしまって、アスファルトの上の陽炎に夏そのものを感じる。日が落ちるのも遅くなったし、なんて思いながら瓶ビールを一本抜く。肴はオキアナゴの骨の唐揚げ。


「オオクチイシナギ」の寿司…身が適度に繊維質で、ほどよい軟らかさ

「オオクチイシナギ」の寿司…身が適度に繊維質で、ほどよい軟らかさ

いちばん春らしい釣りってなんだろう? やはり乗っ込みのマダイか? それとも乗っ込みのクロダイ? いえいえ、それよりも深海から浅場にやってくる大魚、オオクチイシナギでしょう。なにしろ成長すると百キロを超える。こんなのが釣れたら、と思うだけでわくわくしてくる。巨大な腹身を煮つけにして春の吟醸酒をいっぱい。


「フウセンキンメ」の寿司…シコッと心地よい食感がなんともいえない

「フウセンキンメ」の寿司…シコッと心地よい食感がなんともいえない

都内の電車に乗ると袴姿の若い女性が目立ち車内に花が咲いたようだった。卒業シーズンなんだ、と思っていたら、あっと言う間に入学シーズンが間近に迫る。春野菜がうまいし、浅場の魚もうまくなる。が、忘れてはいけないのがキンメダイやアコウダイの深場の魚も最盛期を迎えること。今宵はフウセンキンメのあら煮でいっぱい。


「サラサハタ」の寿司…幻の美味魚。うまい、美味すぎる

「サラサハタ」の寿司…幻の美味魚。うまい、美味すぎる

「今年は2回しか花見できなかったよ」とたかさんが嘆いている。「バカ言ってんじゃないよ」こっちは自宅にこもりっきりで、本の執筆中なのだ。桜咲いたのも知らなかった。今年はどうかしている。テレビ出たり、雑誌の記事になったり。そろそろボクもモテ期かも知れません。幻の魚サラサハタのあらで魚汁、酒は泡盛の古酒だ。


「マダコ」の寿司…タコならではの風味が高く、ほんのり甘い

「マダコ」の寿司…タコならではの風味が高く、ほんのり甘い

今年は早々と故郷、徳島の海で泳いだ。夏の陽射しで真っ黒に日焼けして、体のあちらこちらに火ぶくれができて痛いのなんのって。故郷の友の畑の真っ赤に熟れたトマトを持ち帰り、これをアテにきんきんに冷えたビールを飲む。脇にあるのがマダコの頭のガリシア風。たっぷり振ったチリパウダーがピリピリしてやたらにうまい。


「ヤナギノマイ」の寿司…旨さは炙ることでより一層、味が増す

「ヤナギノマイ」の寿司…旨さは炙ることでより一層、味が増す

夏休みで街に子供連れが目立つ。まことに幸せそうな光景に、どちらかというと寂しい身の上のボクは嫉妬を感じる。「ボクも早く幸せになりたいなー」、なんて言ってみたら、幸せそのものの、たかさんが「無理だ!」とイヤな笑いを見せる。人生てんてこ舞い、魚はヤナギノマイ。


「イシガキダイ」の寿司…透明感があり、美しい身で甘く旨味が強い

「イシガキダイ」の寿司…透明感があり、美しい身で甘く旨味が強い

「五月の雨」と書くが、さみだれは実は梅雨のことだ。じめじめとイヤな季節がきそうだ。なんてつぶやいていたら、近所の若いピチピチギャルが(表現古い)、「スカイツリーは雲の上よ」なんて言う。だめだ、ボクは高所恐怖症なのだ。せめて大吟醸酒にイシガキダイの薄作りで、からっと爽やかにいきますか。


「チカメキントキ」の寿司…ほどよい硬さで実に甘みが強い

「チカメキントキ」の寿司…ほどよい硬さで実に甘みが強い

夏真っ盛りだ。ラジオからは吉田拓郎の「夏休み」が聞こえてくる。たかさんは毎日のように近所にある大型プールに通っている。なにが目的なのかは知らないが、どことなく健康的だ。それに比べてボクは自宅にこもりっきりでキーボードを打っている。せめて夕食くらいは豪勢にチカメキントキのカルパッチョにシャブリといく。


「イサキ」の寿司…大イサキの中巻きは実にゴージャスな味であった

「イサキ」の寿司…大イサキの中巻きは実にゴージャスな味であった

「梅雨って好きなのよね。女性がみんなきれいに見える」。たかさんなかなかいいことを言う。梅雨というとマイナスイメージだけど、森の木々も、雨の中で咲く花も冴え冴えとして美しい。梅雨の水を飲んでうまくなる魚も多い。産卵期を迎えたイサキがそうだ。大イサキの腹から出て来た白子を煮て、たまには甲州のワイン。


「カイワリ」の寿司…まろやかな味だ、こくがあるのに後味がいい

「カイワリ」の寿司…まろやかな味だ、こくがあるのに後味がいい

「最近の番組を見てっとすし職人ってまるでスターよね。何様よ。それからすっと、たかさん偉いよ。いつも自然体で偉ぶらないし、飾らない。だから女の子にモテるのよ」と、昭和三年生まれの昔の女の子が熱く語る。「そうでしょう」とたかさんが素直にうなずく。ボクはひとり静かにカイワリの塩焼きで、宮﨑の芋焼酎を一献。


「メゴチ」の寿司…めごちは「天ぷらの握り」が最高にうまいのだ

「メゴチ」の寿司…めごちは「天ぷらの握り」が最高にうまいのだ

今季初めてエアコンをつけた。心地よくなってついうたた寝。当然のごとく風邪を引いた。ひとりっきりなので食べ物に困り、たかさんにSOS。さっそくやって来て、いろいろ置いていってくれた。ジュースに巻きずし、そしてなぜか「めごち」の天ぷら。寒気がするので、熱燗をつけて、これでいっぱい。これじゃ風邪はなおらない。


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